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薬剤師は景気の好不調の波を受けにくい人気の業種です。しかし、人生の多くの時間を費やすわけですから、やはり、よりよい処遇・よりよい人間関係・よりよい職場環境を求めたいものです。一度しかない人生です。ユーザーのみなさまが、ぜひ素敵な仕事・職場にめぐり合えることを祈っております。

コラム:薬剤師を取り巻く環境「割に合わない薬剤師の在宅訪問」

政府は医療提供体制について、病院機能の集中化と連携の方向を打ち出しています。

すなわち、病院機能は急性期や高度医療に特化し、長期入院は地域での受け入れを促進し、外来は極力、診療所や在宅に回す政策です。

しかし、薬局の在宅患者への取り組みはまだまだ不十分といわざるを得ません。

これは薬剤師側の問題でもありますが、一方で医療機関が薬剤師の在宅訪問について「知らない」現実があります。医療保険でも介護保険でも、薬剤師が訪問するには医師の指示が必要ですが、医師が在宅医療に関して薬剤師の存在を意識しなければ、実際の行動には移せません。

一方、在宅訪問の実績がない薬局では「薬剤師が少なく対応できない」「休日夜間を含め、常に対応を迫られる」「無菌設備がないため対応できない」などの意見が多く、実績のある薬局でも「調剤報酬が低い」「効率が悪い」などの意見が挙がっています。

実際、「採算が合わない」との声は頻繁に聞こえてきます。そのため、効率面から患者の居宅ではなく、施設に訪問の重点を置くケースがほとんどです。

一括して届け、その後の対応は施設の職員に任せるやり方ですが、この場合、個々の患者に対する服薬管理が不十分になることは否めません。こうした事情もあり、在宅患者訪問薬剤管理指導業務の届出を行っている薬局は70%を超えているにもかかわらず、実際に取り組んでいる例はごく少数にとどまります。

審査分の請求状況を見ると、調剤基本料を算定した回数は5900万回ですが、在宅患者訪問薬剤管理指導は1万7000回で、請求割合は0.2%程度。この数値に介護保険の居宅療養管理指導が加わるため、実際には倍以上の数値になりますが、それでも実態がなお不十分なことに変わりはありません。

参考になさってください。

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